最新作
坂田怪童丸 (2025/5)
今回の作品は、歌川国芳(寛政9(1798)年~文久元(1861)年)が天保7(1836)年頃に描いた、「坂田怪童丸」を原画としました。怪童丸とは金太郎のことですが、平安時代中期の武将、源頼光(みなもとのよりみつ)に仕える四天王として活躍した坂田金時(さかたきんとき)の幼少期の呼び名が金太郎です。金太郎の母親は山姥だとされている事が当時は一般的で、二人を題材とした浮世絵を喜多川歌麿や葛飾北斎も描いています。
金太郎の鯉つかみを題材とした浮世絵は何作もあるようですが、この原画は数ある金太郎絵の中でも天真爛漫な魅力と躍動感に溢れる作品と言われているそうです。
作品の制作にあたっては水の飛沫の表現や金太郎の顔の表情などが難しく、彫り直し、刷り直しの連続でした。この作品を手掛けようと考えたときの読みが甘かったようです。